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看護師を目指したとき、患者さんに寄り添う看護がしたい、患者さんの思いを理解したい、患者さんの話を聞ける看護師になりたい、そして、病気の方々に健康を取りもどすことのお力になりたいという思いを、実際に実現し、自分の看護をじっくりと評価し、スキルを試せるのは、訪問看護の現場が最もふさわしいと思います。

患者さんとの信頼関係を築き、支えになれる訪問看護。

医療技術を提供することだけが看護ではなく、人と人との関わりのなかで人間として、人として成長できるのが訪問看護。

そして、何よりうれしいのは、患者さんやその家族から、感謝の言葉を直接聴けることです。これは看護師にとって本当のやりがいとなりますよね。患者さんとじっくり向き合えるのは訪問看護しかないと思います。

訪問看護ってどんなお仕事?

訪問看護は、患者さんのご自宅へ週2回~3回、1時間前後、看護師がお伺いし、お身体の状態を看たり、身の回りのお世話を行います。

看護の内容は、医師の指示のもと、体温、血圧、脈拍等の測定をし、病状の観察を行います。全身清拭、入浴介助、口腔ケア、食事介助、服薬指導なども行います。点滴、褥創の処置、人工呼吸器の管理、在宅酸素の管理や膀胱留置カテーテルの交換など医療行為も行います。

患者さんのお身体だけでなく、生活がみえたり、家族の方々とのコミュニケーションもとれ、思いや考えを理解したり、患者さんの生き様が目に見えて解ります。それだけでも、学生時代苦手だった関連図は書けます。

苦手とする、三側面(身体的側面・精神的側面・社会的側面)からのアセスメントは当然できるわけであり、看護計画の立案もできるのです。自分で立案した看護計画を看護実践してみましょう。訪問看護を行う患者さんは比較的病状が穏やかな方が多いため、(必ずとはいえない)実践しながら追加変更、評価できます。これこそ、まさに看護過程の展開ができるのです。病院での実践ではできない本来の看護が味わえます。

また、患者さんや、そのご家族と、濃厚なコミュニケーションをとることで、不安を軽減するだけでなく、精神的な心の支えになることができ、信頼関係を築くことができます。患者さんの全体像が把握しやすいので、看護技術だけでなく、アセスメント能力、コミュニケーション能力や看護に必要なスキルの向上ができ、経験を、存分に活かせます。

訪問看護では特に・・・

ケアマネージャーや介護職といった他職種の方々、他事業所の方々と共に、チームを組んで患者さんにサービスの提供していきます。看護師からみた患者さんの情報提供を行ったり、他職種の方から情報をもらったりし、情報共有しながら一人の患者さんのお世話をしていきます。そして、他職種の方と関わって行く中で、自身の知識が豊富になり、社会性を身につけることができるのです。

訪問看護は初めてでも大丈夫

訪問看護は一人で患者さん宅に訪問を行うのが基本です。個人プレーのように思われ、不安に感じる方も多いですが、自分の判断に不安を感じたら、まず相談できます。同じ患者さんに、常に一人の看護師が訪問すると、アセスメントの広がりがなくなりますので、先輩看護師が次回訪問し、違う視点でアセスメントし、アドバイスしていただけます。

看護師ニコニコ

訪問看護を行う前に入職時研修期間を設け、基礎看護技術などの研修を行っている事業所も多いですので、ブランクのある方も安心です。

しばらく仕事内容に慣れるまでの訪問の際は、先輩看護師による同行訪問を行ってもらえますので、新人さんが、いきなり一人で訪問することはほとんどないです。先輩看護師が同行訪問してくれることにより、方向オンチが気になる方もきちんと患者さんのお宅への道を教えてくれますし、患者さんに不安を与えないように、紹介してもらい、お話しやすい雰囲気を作ってくれます。

一人で訪問に行くようになっても、スタッフ同士や上司に相談できる体制を整えているため、判断に迷うことや、病状の変化、急なトラブルなどは電話で、相談でき、リラックスして訪問に集中できるよう各事業所は考えています。

患者さんの生活面では、ケアマネージャーやヘルパーといった他職種の方々にも、相談、アドバイスを受けることもできます。

訪問の手段は、公共交通機関、自動車、自転車、徒歩で患者さんの自宅へ訪問します。訪問看護師になりたいけど、車の免許ないから無理とあきらめないで下さい。自転車コース、車コースなどと、訪問スケジュールが組まれますので、車の免許がなくても大丈夫です。

気になる訪問看護師の勤務体制とお給料は?

高齢化がすすみ、在宅医療はこれからどんどん需要が高まります。そのため、訪問看護師の募集も多く、給与面でも多めに設定している事業所が多いです。給与の設定が各事業所単位なので、事業所によってかなりの幅があります。

病院と比較し、夜勤のない分、年収としては、病院より少なくなります。訪問看護師平均月収25万~32万平均年収400万~500万とされています。同じ日勤主体の看護のお仕事で比較すると、クリニックでは平均月収25万前後、平均年収400万前後ですので、訪問看護の方が条件は良いと思われます。

勤務体制ですが、基本的には、夜勤はありません。残業も病院と比較すると少ないので、育児や介護など、家庭との両立はしやすい仕事だと思います。

患者さんからの緊急連絡に備え、24時間の待機体制をとっている事業所がほとんどで、患者さんからの緊急連絡には、電話で対応したり、病状により、必要時には訪問を行います。待機手当てについては、事業所によって様々です。

私の経験より、基本給は病院と、ほぼ同じでした。手当てが少ない分、手取りの月収は27万円位でした。

やりがい、スキルアップ、寄り添う看護、家庭との両立など看護の本質を知るには訪問看護ではないでしょうか。

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