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私は病棟看護師として約7年勤務していました。毎日の体力を使った看護、記録の山、大変な仕事はたくさんありましたが、中でも、1日の最後に待ち受けているのが、翌日の患者の担当振り分けでした。

まず、受け持ち患者を決める上で、看護方式が3つあります。

「固定チームナーシング」

看護師普通

病棟スタッフを2つあるいは3つ程度のチームで分け、その中で患者も疾患などに合わせて分けておき、それぞれのチームの中でそれぞれのチームの患者だけを担当する方法です。

メリットとして、経験の浅い看護師と、ベテランの看護師が同じチームにいるので、患者の問題点に気づきやすく、質の高い看護を安定して提供できます。

デメリットとして、患者のところにくる看護師が毎回違うので、患者との深い信頼関係を気づきにくい点があります。

「プライマイリーナーシング」

看護師普通

完全受け持ち制の看護方式です。入院から退院まで同じ看護師が一貫して担当します。

メリットとして、いつも同じ看護師が担当するので、患者も安心しやすく、信頼関係を気づきやすいです。

デメリットとして、看護師の経験より、看護の質が左右されてしまうことです。

「モジュール型看護方式」

看護師普通

日本の病院の特性にあわせて考えられた看護方式で、固定チームよりも更に多くのチーム分けをし、その中で数人の患者を固定して担当する方式です。固定チームナーシングと、プライマリーナーシングの双方のメリットが併せ持った看護方式です。

メリットとして、固定チームナーシングのように、様々な経験年数の看護師がいるので、看護方針を立てやすい、患者も担当が数人の看護師に固定されているので、信頼関係を築き、かつ、安定した看護が受けやすいです。

デメリットとして、看護師間の密なコミュニケーションが必要になります。

「実際どれを選ぶのか?」

私の病棟は構造上横に長い長方形のような作りでナースステーションは端の方にありましたので、モジュール型看護方式に近い看護方式を選んでいました。

しかし、看護方式を選ぶだけでは受け持ち患者は決められません。上記にまとめた看護方式に加えて、患者の重症度、動線、チーム分けられた患者の頻回なベッド移動、等を考える必要があります。

動線よく部屋持ちで振り分けることができれば翌日の患者の担当振り分けが一番容易ですが、注意しなければならない点として、ADLの低下している重症患者ばかり受け持たなければならない看護師と、部屋が遠くても自立度が高く介助の必要ない看護師が別れ、看護師1人あたりの仕量に大きな差が出てしまうということがあります。

そのような状況で、プライマリーナーシング方式を取ると、どうしても、経験年数の浅い看護師を、重症度の高い患者に毎日つけることが難しい状況になってしまいます。そのような状況では中堅看護師の仕事量がいつまでも減らないままで、経験年数の浅い看護師がいつまでも育ちにくい環境になってしまいます。

かといって、固定チームナーシング方式をとり部屋の動線を意識しながらチーム分けをしても、患者の病状により日々ベッド移動が頻回です。部屋持ちによる患者振り分けを続ける場合は、患者のベッド移動の度に受け持ち看護師を変える必要がでてきます。

当然、患者のベッド移動の度に担当を変えるのは患者にとっても看護師との信頼関係を気づきにくくなってしまうため、現実的ではなく、結果的に看護師の動線は除外視しなければならなくなります。

そんな私の病棟では、結局患者を重症度や人数によって2チームに分けた状態で、毎日スタッフの力量と患者の重症度、その日の検査の内容、部屋の動線をできるだけ考慮しながらチーム分けをしていたものです。

看護方式に加え、病棟の特徴を加味した受け持ち患者の決め方が必要なのです。

⇒ 看護師 受け持ち患者に言われたひどい言葉や対応