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介護保険施設は、介護保険を利用し、医療の提供より、介護を主に必要とされる要介護者という方々が利用者として入所されている施設です。介護保険施設は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3種類あります。それぞれの施設での看護師の役割とお仕事の内容をご紹介いします。

1介護保険施設の種類

□特別養護老人ホーム

入所者の状態としては、要介護状態が重い利用者が多く、排泄介助や、食事介助などの日常生活援助を主として介護サービスを受ける生活の場です。他の介護保険施設より、長期入所でき、終の棲家として、終末期を過ごされる利用者がほとんどです。また、短期で利用する、ショートステイもできるので、在宅から一時的に利用者される方もおられます。

□介護老人保健施設

食事介助や排泄介助という日常生活援助を中心としながら、医療依存度が高く、リハビリを必要とされる重症度の高い利用者が入所されています。特別養護老人ホームとは違い、あくまでも在宅復帰を前提としていますので、基本的には、3ヶ月という入所期限のしばりがあります。こちらも、ショートステイで利用できるため一時的に利用される方もおられます。

□介護療養型医療施設

介護保険で利用できる施設ですがこちらは、医療機関で病院となります。排泄介助、食事介助などの日常生活の介助は他の老人保健施設と同じですが、より、重度で、医療依存度の高い要介護状態の方が入院されています。病状が安定してくると、他の施設に変わっていただいたり在宅に退院したりされます。

2介護保険施設での看護師の役割と仕事内容

□特別養護老人ホームの看護師の役割と仕事内容

基本的に生活の場ですので、介護中心の現場です。介護は介護士さん中心に日常生活援助が行われます。看護師は、病状観察以外に、服薬管理、スキンケア、胃ろうの管理、血糖値の測定、インシュリン注射などを行います。身体の状態はおちついていても高齢者中心ですので、認知症の方々の看護や転倒や異食行為に対してのリスク管理も必要となってきます。レクレーションが定期的に行われますので、介護士さんと協力して企画し、利用者さんや、家族と楽しむことができる現場です。

□介護老人保健施設の看護師の役割と仕事内容

特別養護老人ホームと違い、生活の援助、身体の介助だけでなく、リハビリテーションが充実していたり、医療的な管理が充実しているという特徴があります。理学療法士が中心となり、身体機能の向上と目的として看護や、介護が行われています。介護の中心は介護士さんですが、医療依存度が高い方が多く、医療処置が多い利用者さんが多く、経管栄養でも、軽鼻的にチューブを通した栄養管理ができる点など、看護師の判断に重きをおかれる処置ケアが多いです。特別養護老人ホームと同じくレクレーションも行われます。

□介護療養型医療施設の看護師の役割と仕事内容

病院という医療機関となりますので、医療中心のケアの提供が必要です。慢性期で病状は落ち着いている方は多いですが、医療依存度が高い方が多く、人工呼吸器の管理、酸素吸入の管理、経官栄養の管理などの医療、看護の提供を行います。

3介護保険施設での職場の雰囲気は?

介護保険施設は、介護中心の職場であり、日常生活援助が中心で、介護職やケアマネージャー、生活相談員の方々が、中心となり仕事を行っています。仕事内容は、病院ように入退院がないため、同じ時間に同じ処置、ケアを行います。ゆっくりとした時間経過で、看護師も仕事におわれることなく、介護士の方々と和気あいあいとケアに取り組みます。レクレーションの場が多く、スタッフや利用者さん、家族の方々との関係も、ご近所さんや友人関係、家族のようなお付き合いの雰囲気の中でやりとりされるところが、病院と全く違うところです。

4介護保険施設の勤務体制と、必要なスキルは?

□特別養護老人ホームの勤務・給与体制と、必要なスキルは?

介護士さんが夜勤を行っているため、土日、祝日の出勤は行いますが、看護師は日勤中心で、早出、遅出体制の所もあります。そのため、夜間の緊急時連絡体制をとっている施設がほとんどです。夜勤がないので、子育てなど、自分の生活と両立しやすい職場ですし、残業もほとんどないです。

看護師普通

終の棲家として暮らしている利用者さんが多いので、病状悪化時や急変時はご本人や家族のご意思に従います。ですので病院に搬送を好まれない方や、延命処置を望まれない方もおられるので、看護師としてその人にとっての生き方が考えられたり、人生を謳歌できる環境を介護士さんと共に考えてあげられるスキルが必要かと思います。利用者さんの身体的側面より、社会的側面や、精神的側面を考えるアセスメント能力が養えます。

□介護老人保健施設の勤務体制と、必要なスキルは?

医療依存度の高い利用者さんが多く入所されているため、2交替で勤務しています。夜勤は月45回が平均的です。利用者さんの入所の目的は自立支援、在宅復帰ですので、理学療法士と協力して、利用者さんの身体能力が向上するようなプログラムに沿ったケアが必要となります。

看護師はその内容を日常生活の中で、活かせるよう計画的に支援する必要があります。ゆっくり利用者さんの側にいながら、生活の質の向上が考えられるため、看護の本質に近い、看護の提供ができると思います。その他、基礎看護技術以外にも、異常の早期発見、救急対応等のスキルも必要となってきます。

□介護療養型医療施設の勤務・給与体制と、必要なスキルは?

介護老人保健施設と同じく、2交替での勤務を行っています。給与は病院ですので、一般的な看護技術は必要です。

5介護保険施設での給与体制

特別養護老人ホームでは日勤中心の勤務で、夜間の緊急連絡体制をとっている施設がおおいです。月収約29万円、年収約420万前後で夜勤手当がない分年収は低くなります。介護老人保健施設は夜勤がある分、月収は約32万、年収は460万前後です。

夜勤手当は病院では120000円以上の設定の所が多いですが介護老人保健施設は17000円位で、病院とはかなりの金額差があります。病院では月収約約33万 年収470万前後ですので、全体的に病院より低い給与設定となっています。介護療養型医療施設は病院の給与体制とほぼ同じと考えても良いでしょう。