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個人病院への転職は、自分が何をベースにこれから仕事をしていくかがポイントです。個人病院のイメージとして、お給料はいいけど、忙しそうな感じでしょうか?個人病院では、運営方針や、経営方針は、経営者(院長)の考え方で決まってきます。転職する際、このような情報をできるだけ早くとりいれて、看護師として何を基準にして病院を選ぶか、自分のスタイルや、看護観とあっているのか、十分検討したほうがいいでしょう。

どんな病院を個人病院っていうの?

個人病院は経営主体が個人であり、簡単に言うと、経営者、この場合ほとんどが、「院長」という肩書きが付いた方が経営主体となっています。個人病院の経営で、1年以上経過し、安定した収益を得ている病院は法人化しており、たいていの病院が、○○法人△△会という病院名をあげています。

病院ですので、基本的に20床以上の入院施設を備えています。

看護師ニコニコ

病床数は、施設によって様々ですが、大きくても100床から199床までの病院が中心です。

個人病院での看護師の役割とお仕事の内容

大規模病院は、急性期の患者さんを受け入れ、平均在院日数の縛りがありますので、できるだけ在宅に退院していただいたり、他の医療機関や、介護保険施設へ受け入れてもらうように努力しています。その受け入れ先のひとつが個人病院となる場合もあります。

患者さんの病状は比較的穏やかで、急性期を逸脱した状況といえます。

看護の内容は、合併症の予防であったり、日常生活の援助という部分が大きいと考えます。受け持ちの患者さんの数は、大規模病院と比較すると多くなりますが、入退院患者さんの入れ替わり出入りが穏やかな点では、比較的余裕をもって患者さんのケアができる環境ではないでしょうか。

救急患者の受け入れ体制を行なっている病院がほとんどです。救急搬送される患者さんの傾向として、高度な医療を必要とされる患者さんは急性期病院に搬送されるますが、診療科全般にわたる疾患の方々が多いです。病状的には軽くても、どのような疾患でも、しっかりとアセスメントする力が必要ですし、経験をつむと自然とアセスメント能力が身につきます。

かかりつけの患者さんが搬送されることが多いので、患者さんの状態把握がしやすいのが特徴です。また、様々な社会的背景の患者さんの受け入れも行わなくてはなりません。このような患者さんの退院にむけての生活全般について看護を行うことにより、全体像を捕らえた看護を行うことができ、マネジメント能力を身につけることができるのも個人病院でのメリットかと思います。

個人病院は病院規模は小さいですが、院長、経営者の専門により、専門病院として地域に根ざしている病院も数多くあります。看護の世界も専門性を問われる時代となっているため、専門分野に特化した看護を学ぶなら専門病院を探してみるのも、選択肢の一つでしょう。そこから、専門看護師、認定看護師といったステップアップを図ることもできるでしょう。

個人病院って本当に忙しいの?

看護師ニコニコ

お給料は好待遇だけど、残業多そうなイメージなのが個人病院です。実際に、個人病院は大規模病院と比較して、十分に余裕のある人員配置は、されていないことが現実ですし、首都圏の個人病院の離職率は20%を上回るところも少なくないです。その反面、ずっと同じ病院に何年も勤務している看護師も多いのも特徴です。それはなぜでしょうか?

個々によって様々で、何を基準として看護師の仕事を続けていくかというベースの部分や考え方だと思います。例えば、研修制度が整ってる大規模病院は、研究や研修が多く実務にずれ込み、時間外の勤務が多くなったりしますが、個人病院では、基本的にOJT中心です。看護研究などもほとんどありません。3年以上の経験で基本的な研修とスキルを積んできた人が、個人病院に転職すると、即戦力としてスキルを買ってくれますので、現場でのリーダシップがとれ、これまでの経験を十分活かせる現場だと思います。研修制度やラダーの充実で考える場合は個人病院は向いていないといえます。

日常業務の忙しさはありますが、家庭を持った看護師も多く、時間管理が行える先輩が多いため、割り切った関係性で仕事することができ、ダラダラと残業をするという事は基本的には無く、残業時間も大規模病院と比較し、少ないのではないのでしょうか?

小規模な病院が多いことや、急性期医療の現場でないことから、医療機器や施設面は、大規模病院ほど整っておらず、衛生材料等も単価の安いもので揃えられているため、始めは、段取り悪く、時間もかかり、不便を感じることが多いですが、看護の原点にもどって考えた時、医療機器や物品がそろってなくても、看護ができるのが、本当のプロか思われます。自分で工夫したり、考えたりしながら本来の看護とは何かを考え、スキルアップすることができます。高度な医療や最新の医療機器、設備が整っているっといった条件を求めるのであれば、個人病院はオススメできません。

個人病院の勤務体制と人間関係の実際

病院ですので、入院施設もあり、もちろん夜勤もしなければなりません。施設によって施設基準をどのようにとっているかで、夜勤の体制が変わってきますが2人夜勤の場合が多いです。二交替勤務をしている病院がほとんどです。

個人の条件を柔軟に受け入れてくれるのがメリットで、家庭の事情、育児などの状態に合わせて日勤のみの勤務や夜勤専従などの条件を受け入れ可能な病院が多いのが特徴です。病院が小規模なので、フレンドリーな関係を築きやすく、比較的わがままを聞いてくれるし、相談しやすいです。特に、子育てや家事を両立しながらでも、看護の仕事を無理なく、気持ちの上で続けやすい環境にあります。

職員数も少ないため、どの部署に行っても、すぐ顔見知りとなり、職員同士気心知れた仲間として、和気合いあいの雰囲気で、気を使わず仕事できるのが良いところでもあります。

個人病院のお給料は本当に高待遇か?

求人サイトなどみても、公立病院や、大規模病院より高待遇の求人が出ています。夜勤手当などは、12万~4万というところもあります。このように手当てを多くしているところが多く、その分、基本給を低く設定しています。そのため、基本給に準ずるボーナスは少なくなっていますが、看護師平均月収約33万円に対して、個人病院は約31万円、年収も看護師平均年収約471万円に対して460万円~500万円とそれほど差もないように思われます。ただし、公立病院とは、かなり差が生じますし、福利厚生や、退職金制度は十分に情報を得たほうが良いでしょう。

個人病院では、経営状況が、職員のお給料に直接反映されるため、安定した経営状況であるかということも事前に情報が必要かと思います。