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私は、病棟看護師として以前働いていました。毎日がとにかく忙しく、残業も多い病棟で家に帰る頃には意識が朦朧とするほど疲れ果て、やっと寝ることができたと思えば、もう次の日の朝になっているという状況でした。

そんな病棟でも7年ほど頑張り中堅と呼ばれるまでにはなったのですが、ミスをいろいろとおかしてきました。

そんなお話は本当は隠しておきたいのですが、ここに書く事で、ほかの人のためになることがあるかもしれないので、いくつか書いておこうと思います。

「たかが下剤されど下剤」

それはまだ私が1年目のころでした。ADLが低下し、ほぼベッド上で過ごしている患者に内服を私に行きました。

意識はしっかりとしている方でした。いつも、便秘がちで下剤を飲んでコントロールしていたのですが、その日の朝食後は下痢をしているから、いつも飲んでいる下剤はいらないわ、と言われました。

しかし、新人だった私は、たくさん飲んでいる薬のなかのどれが下剤かわからず、また、朝の申し送りの時間も迫っていて焦っていました。あまり受け持ったことのない患者で、普段の排便コントロール状態も情報としてあまり重要視しておらず、内服も袋に一方かされていたので、正直そこから下剤の薬を抜くのは面倒だ、と思ってしまいました。

さらにタイミングの悪いことに、内服を飲ませている途中で下剤はいらないと言われ、その時にはほとんどの薬を飲ませたあとだったのです。

その後、その患者は特に排便状態は変化なく、本人も下剤はスキップしたと思っているようでしたが、私が時間に余裕をもって配薬し、その患者の日頃の排便状況にもっと関心をもって情報収集して、投薬前に話をしっかり聞いていれば防ぐことができたと反省しています。

その時は下剤でしたが、これが、降圧薬や、循環器、眠剤などもっと身体に影響の出やすい薬だったら大変な事になっていました。

「日付を間違えた」

またもや、下剤の話です。私が夜勤をしていた時に、翌日に注腸検査を控えている患者がいました。

前日の処置として、消灯時に3種類の下剤を飲ませることになっていました。私は患者に下剤を飲んでもらいその後の排便確認をしていました。

しかし、なにか腑に落ちない点がありました。改めて、一息ついた時に、医師の指示簿や下剤の服用日を確認したところ、検査日を1日間違えてしまっていました。翌日は検査ではなかったのに、下剤を飲ませてしまったのです。

意識のはっきりしている患者でしたが、きっと、検査の数日前から下剤を飲むものなんだろうな、と思って私が差し出した下剤を、何も言わずに飲んだのでしょう。

私は頭が真っ青になってしまいました。翌朝一番に医師に報告したところ、たまたま検査の枠と医師のスケジュールが空いていたので、1日前倒しで無事に検査を行うことができました。

看護師困った顔

忙しくて曜日や日付の感覚がないんだよね、とよく看護師同士で話していたものですが、それで、検査日や前日処置を間違えるのは看護師失格だと相当落ち込みました。

⇒ ミスをして看護師辞めたいと思ったときのこと

「経験年数を積んでいるからといって初心を忘れてはいけない」

夜勤では25人近くの患者を一人で担当しなければならないので、情報が混乱しそうになりますが、そんなときこそ、しっかり情報収集に時間をかけて、必要なことは大きな時でメモを残しておいたり、消灯間際はナースコールも多くなり、焦ってしまうのはわかりきったことなので、焦らない方法や、焦ったとしても決して間違えることのない対策をしっかり取る必要がある、と痛感した体験でした。

経験年数を重ねると、重大なミスや、新人がおこしがちなミスは減ってくる一方で、今更こんなミスをしてしまった、という出来事を起こしてしまうこともあります。

常に初心を忘れずいなければなりませんね。

⇒ 看護師としてミスを防ぐための対策